2012年5月17日木曜日

肥満とファーストフード


「マクドナルドなどのファーストフードを食べ過ぎると何で太るのですか?」

ファーストフードは値段と癖になるおいしさを重視しているためか、栄養価が低く脂肪過多な食品が多いです。
そのような高カロリーな食事ばかりして、ついでに運動もろくにしないでいると、摂取カロリーが消費カロリーを上まり太ってしまいますよね。
栄養バランスも崩れて、病気にも罹りやすい身体になってしまいます。
ファーストフードだけの生活を送るとどうなるかというドキュメンタリー映画も公開され、話題になりました。

ちょっと片づけをしていたら、朝日新聞の2002年12月18日付けの朝刊でアメリカにおける肥満問題が大きく取り上げられていた記事が出てきました。
ちょっと異質でありながらも訴訟国アメリカらしい内容の記事です。
記事の見出しが、『肥満大国・米で過激訴え、「ハンバーガーのせいで太った」』
マクドナルドが子供たちの肥満の原因だとして集団訴訟を起こしたという内容です。


疼痛管理tricre

以前にもマクドナルドは老婦がマクドナルドで買ったコーヒーを運転中にこぼし火傷を負ったことで、「コーヒーが熱すぎたことが原因」として訴訟を起こされました。
これが、なんとマクドナルドの敗訴で多額賠償金を払うことになっています。
また、「マクドナルドはマックフライポテトに牛脂を使っているという情報を開示していなかった」として、ベジタリアンやヒンドゥー教徒の原告から訴訟を起こされました。
その時は慰謝料として$1000万(およそ12億5000万円)を支払うことで和解しています。
その挽回としてフライドポテトなどの揚げ物用の調理油を穀物メジャーの米カーギル社と共同開発し、健康に配慮した新しいタイプのものに全米店舗で変更するとその時大々的に発表していました。
これはジャンク・フードとして悪印象の強いマクドナルドが健康に配慮しているという姿勢をアピールすると共に、このような肥満訴訟への対策も兼ねていたのかもしれません。
それでも、マクドナルド=肥満という映画でも証明されたりしていて、健康的なイメージを今さら植えつけるのは難しいような気がします。


突然のショック

さてさて、2002年のマクドナルド訴訟の続きです。
2003年1月に「食べた過ぎた本人の責任」として原告側の損害賠償請求を却下。
その後、2003年9月に再び原告側の訴えを却下。
さらに、2004年3月に米下院がこのような訴訟からレストランや食品生産者を保護する目的で、「チーズハンバーガー法案」を可決。
本当に訴訟社会のアメリカらしい問題です。

しかし、肥満はアメリカだけでなく多くの先進国でかなり深刻な現代の生活習慣病です。
アメリカでは肥満関連の病気で死亡する人が、2005年には喫煙関連の病気で死亡する人より多くなると2004年に報告されています。
また、英国では肥満増加対策の1つとして、脂肪過多食品に課税することを2004年の段階で検討しています。
もちろんアメリカ国民の新年の目標の第1位は「体重を減らす」です。


化粧品のポストフォールズアイダホ

以前、アメリカが始めての友人と一緒にアメリカに行った際にレストランで食事を注文すると「ドカ」っとプレートから溢れんばかりにいっぱいに肉やポテトなどが山積みで出てきました。
さらにマッシュドポテトにはたっぷりと茶色のグレービーソースがつけられているではないですか。
これには友人も、思わず「なんだ、この量は」とあっけにとられていました。
さらに食事と一緒に飲むジュースやソフトドリンクは甘く、これも量がやたらと多い。
「こりゃぁ、アメリカ人が太るわけだ。」と友人も思わず納得していました。


馬鹿げた訴訟ではありましたが、知識のない子供たちには脂肪過多の食事ばかりするとどのようになるかということをしっかりと教える必要があるのは確かです。
もちろん、その責任の多くは親や学校にあると思います。
しかし、こう自由に物や食べ物が手に入るようになると社会的にも英国のように何か対策を考える必要はあるかもしれません。
そう考えると、ハンバーガーの包み紙にもタバコのパッケージが今では「喫煙は肺癌の原因になります」等と世界各国で共通に書かれているように「ハンバーガーの食べすぎは肥満の原因になります」と書かれるようになる日もそう遠くはなさそうです。
さらに、一歩進んで「脂肪カットセット」とかいうハンバーガーと脂肪吸収阻害剤が一緒になったものが登場して、肥満者限定で販売される日が来るのかもしれません。
食べたものをそのまま排泄物として処理してしまうため、お金をただ無駄に捨てているだけのような気もしますが、これこそが究極に贅沢な嗜好食スタイルと謳われる日がくるかもしれません。
かなり危険な将来です。


おっと、こんなことを深夜遅くに書いているとお腹減ってきました。
しかし、この時間食べると、、、摂取したエネルギーは貯蓄されるだけ、それも脂肪として、、、、かなり要注意です。

Dr.J.Y.

山内潤一郎

 



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